CHFを"売る"という選択 〜トルコリラで学んだ、高スワップの裏側〜
前回のおさらい
前回、トルコリラ(TRY)関連の指標を2つ紹介しました。TRYは高金利通貨の代表格である一方、過去に何度も急落を繰り返してきた通貨でもあります。
今回は、そのTRYを例にしながら、私が使っているもう一つの工夫——「CHF(スイスフラン)を売る」という戦略について書いていきます。
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高スワップは"魅力"であり"警告"でもある
トルコリラを保有すると、日々かなりの額のスワップポイントが受け取れます。この魅力に惹かれて始める人も多いと思います。私自身もそうでした。
でも、この高いスワップには理由があります。トルコは慢性的にインフレ率が高く、通貨の価値が時間とともに目減りしやすい構造を抱えています。つまり、スワップという「毎日もらえる利息」の裏側には、通貨そのものがじわじわと下落していく「継続的な為替差損リスク」がセットになっているということです。
短期的には為替が戻ることもありますが、長期のチャートを見ると、トルコリラは何年もかけて右肩下がりの動きを続けてきました。これは一時的なブレというより、構造的な傾向として捉えておく必要があると考えています。
「高金利通貨を買う」だけでは不十分だと感じた理由
最初はトルコリラや他の高金利通貨を「円売り」で保有するだけのシンプルな形で始めました。でも運用を続けるうちに、こんな疑問を持つようになりました。
「受け取っているスワップは、本当にこのリスクに見合っているのか?」
円は世界的に見ても金利が低い通貨ですが、ここ数年は決して"絶対的に安全な低金利通貨"とは言い切れない場面も増えています。だとすれば、高金利通貨を買う相手(売る通貨)を円だけに頼るのではなく、もっと金利が低く、構造的に安定している通貨を組み合わせられないかと考えるようになりました。
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そこで出てきたのが「CHF(スイスフラン)」
スイスフランは、世界でも屈指の低金利通貨です。スイスという国自体の政治的・経済的な安定性も高く、いわゆる「質の高い低金利通貨」として知られています。
そこで私が組んでいるのが、高金利通貨(トルコリラなど)を買いつつ、同時にスイスフランを売る、というクロスポジションです。
イメージとしては、こんな感じです。
- 円だけを売り相手にするのではなく、スイスフランという"もう一つの低金利通貨"を売る側に加える
- これにより、円相場の急変動が資産全体に与える影響を、ある程度分散できる
ポイントは、これも「リスクをなくす」ための工夫ではなく、「リスクの置き場所を分散する」ための工夫だということです。トルコリラを保有している以上、通貨下落リスクからは逃れられません。でも、そのリスクを円だけに依存させず、複数の通貨関係の中に分散させることで、特定の一つのニュースや政策変更で資産全体が大きく揺れる可能性を抑えようとしています。
この戦略にも当然リスクがある
念のため書いておくと、この戦略も万能ではありません。
スイスフランは「有事の際に買われやすい」通貨としても知られています。世界的なリスクオフの局面では、スイスフランが急に買われて(=売っているこちらは不利に)動くこともあります。つまり、「高金利通貨安」と「スイスフラン高」が同時に起きるという、一番苦しい組み合わせのシナリオも存在するわけです。
だからこそ、前回紹介したような個別の指標を使って、日々ポジションの状態を確認することが欠かせないと感じています。
まとめ
高いスワップには、必ず理由があります。トルコリラのような通貨を保有するということは、その裏にある継続的な下落リスクを引き受けるということです。
CHFを組み合わせる戦略も、そのリスクをゼロにするものではなく、リスクの置き場所を工夫するための一つの選択肢に過ぎません。大事なのは、「魅力的なスワップ」と「引き受けているリスク」を、常にセットで捉えることだと思っています。
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次回:未定(借入活用の考え方について書く予定です)

